成長ホルモン 注射 副作用

スポンサードリンク

白血病や癌が発生しやすくなる恐れがある?

 

ヒト成長ホルモンの遺伝子組換え製剤が治験として市場に出て使われるようになったのが1985年です。

 

それからしばらくして、ちょっと騒ぎを引き起こす報告がなされました。

 

ALL、小児に多く発生する急性リンパ性白血病の患者さんで低身長の患者さん(病気の影響や抗がん剤治療の関係で低身長になることが多いのです。)に成長ホルモン剤を使って身長アップを測った場合、白血病の再発が誘導されるのではないかという話です。

 

 

最初に報告された数はそれほど多くなかったものの、命に関わる事態だけにこの報告は重視され、いくつかの機関で追試されました。

 

そして、1999年ごろまでにたくさんのALLの患者さんで成長ホルモン治療を受けた人と受けなかった人との比較研究がなされました。

 

結果は、成長ホルモンの投与は急性リンパ球性白血病の再発には統計学的に有意な影響を与えない、とするものでした。

 

 

これにずいぶん長い時間がかかったのは、成長ホルモン投与を受けたのと同じような身長や年齢、病気の治った状態の患者さんで成長ホルモンの投与を受けない症例を集めるのに時間がかかったからです。

 

ホルモン投与群と非投与群、両方の患者さんが十分な数、揃わないと本当に成長ホルモン投与が悪影響を与えたかどうかわかりませんからね。

 

白血病にかかって身長が伸びなかった患者さんの多くは成長ホルモン投与を望みましたので、身長が低いにもかかわらず成長ホルモン投与を選択しなかった患者さんの症例数が少なかったのです。

 

 

ただし、最初は、「身長が伸びていたから成長ホルモン投与を選ばなかった患者さん」を比較対象にしていて、この場合は、「身長が伸びなかったから成長ホルモン投与を選んだ患者さん」の方が再発率は高かったのです。

 

つまり、再発に影響する因子は「成長ホルモン投与の有無」ではなくて、「身長が伸びたか伸びなかったか」の差であった可能性があるわけです。

 

抗がん剤投与期間が長かったり、投与量が多かったり、つまり病勢が強かった患者さんで身長の伸びが抑えられていた可能性はあるのでこういう結果になったのではないかと考えられています。

 

 

 

ただし、理論上は成長ホルモン投与はある種のがん(乳がんや前立腺がん)の発育を刺激する可能性があります。

 

ですから、癌の治療中の方や、これまでに健康診断や人間ドックをきちんと受けていない方には成長ホルモン投与をお勧めするわけにはいきません。

 

検診を受けていない方は、成長ホルモン投与前にぜひ、人間ドックを受けて癌がないことを確認しておいてください。

 

スポンサードリンク

白血病や癌が発生しやすくなる恐れがある?関連ページ

末端肥大症は大丈夫?
末端肥大症って聞いたことありますか?
同じ場所に成長ホルモンを打ち続けるとどうなるのか
注射部位に起こる問題について
注射を打つタイミングが重要なの?
成長ホルモンの効果を最大にするためには投与する時間が重要です
中高年へのアンチエイジング医療がめざすもの
成長ホルモンを成人に投与する目的について
A.ロッドのドーピング問題
成長ホルモンの持つ筋力増強効果と若返り効果、スポーツ選手が使えばドーピングとみなされます